そもそも、この一連の学園祭ネタは、下のPC塗り練習用のイラストから始まったのです。
(2004年10月時点)原作新刊を読み、いつものごとく裏読みしたネタから起こしたイラストだったのですが、調子に乗って、ついネタをSS風の文にしてしまったところから、まるで何かにとり憑かれたようにSSのようなものを書き綴ってしまいました。
――ちなみに、このイラストは加工してインフォにもしばらく飾っていました。
この下がこのイラストをイメージした文です。
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(不覚……)
元薔薇さまだったふたりは、校内に足を踏み入れたとたん、在校生に声をかけられることしきりだった。
その隙をついて、ユウコが逃げてしまったのだ。
(だいたい、聖はちっとも協力的じゃないし)
「いいじゃない、別に。彼女、わけありだったみたいだし、あんまり深入りするのもどうかと思うな」
だなんて。正論だけど、一度かかわってしまった以上、気になるではないか。
――と、その時。
「お」
聖が声をあげる。
目線を追った先に、見覚えのあるツインテール。
「祐巳ちゃん」
呼びかけに振り返った後輩は、ぱぁっと笑顔になった。
「わぁ、蓉子さま!聖さま!」
駆け寄ってきて、ぴょんぴょんと飛び跳ねる。
「御無沙汰しております。来てくださって嬉しい!」
つられて、思わず笑みがこぼれる。これだけ喜んでもらえると、それだけで来たかいがあったというものだ。
すかさず聖が
「お招きいただいたからね。万障繰り合わせて来ますともさ」
などと調子のいいことを言う。
(万障ですって?)
「20分も遅れてきたくせに」
祐巳ちゃんには聞こえないよう、小声でつぶやくと、
「おや。蓉子、もしかして根に持ってる?」
反省という言葉を知らないのか、親友はヌケヌケと言う。……まったく。昔とは違う意味で扱いづらくなったものだ。
(祐巳ちゃんの前だとコロっと態度を変えて。あとで覚えてらっしゃい)
2004/11/27 UP
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